再保険とは、保険者がリスク分散などを目的とし保有する保険責任の一部又は全部を他の保険者に保険を付すことを指します。　

火災保険・海上保険・自動車保険・賠償責任保険等の各種損害保険、損害共済・生命共済、生命保険など再保険を付す保険者を出再保険者(元受保険会社)、再保険を引き受ける保険者を受再保険者或いは再保険者とよび、保険会社が保険契約に基づいて保険金を支払うことによる会社の損害を補填するために再保険料を支払いそのリスクを移転する契約です。

再保険の種類は多く、リスクの移転を目的とする出再保険・受再保険、責任分担を目的とし責任分担を決める割合再保険・出再保険会社の保有を控除する非割合再保険や契約手続の相違によっても分類されます。出再保険者と受再保険者が個別に契約条件を定める任意再保険、それぞれが予め取引条件を定めその条件に合致するものを再保険の対象とする特約再保険があります。元受保険会社が負う保険金支払責任のうち一定比率を比例的に再保険者が支払う方式や、元受保険会社が一定金額を超える保険金支払責任を負った場合のその超過額のみを再保険会社が支払う方式などがあり、再保険があることによってリスクが分散され元受保険の引受けも可能となっています。

アメリカで起きた9.11テロのように大規模な損害については、予測できないものであり保険数理上に見込むことは困難で、その意味から保険会社自身もリスクを分散する必要があります。また、地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的として、民間保険会社が負う地震保険責任を政府が再保険し、再保険料の受入れ・管理・運用のほか、民間のみでは対応できない巨大地震発生の際には再保険金の支払いを行うことを可能にする方法が採用されています。

損害保険会社が契約者から受領した保険料は全て日本地震再保険株式会社に再保険され、日本地震再保険株式会社はそれぞれの責任額割合に応じて自らが保有する分、損害保険会社が再度再保険する分と政府の再保険特別会計に再保険する分に分けています。