介護保険を販売するには、公的介護保険を知らないと話になりません。しかし、公的介護保険を知っている生命保険の営業はあまりいません。
私は、最初の保険会社を辞めた後、外資系代理店に移行する間に、ヘルパーの資格をとって、訪問介護の仕事を1年ほどしました。そこで見たものは、さまざまな家庭環境、経済状況のなか、決して十分な介護サービスをみなが思うように受けられないという現実でした。
どんな場合に介護保障が欲しいのか、公的介護保険と比べてどのような要件の時に出るのか、ためしに突っ込んで聞いてみてください。あいまいな答えが返ってくることが多いはずです。
「介護状態になったら出ます」の介護状態とは具体的に何を指すのか?どこまで話せるか試してみるといいですよ。ちょっと意地悪ですけどね。
介護というのは、経験したからこそわかるのですが、精神的にも金銭的にも体力的にも非常に大変で、また出口が見えないものです。公的介護保険もどんどん内容が変わっていきます。生命保険会社の介護保険はそれを補うものでなくてはならないのですが、そうなると提案をするのには、公的介護保険とその現実を知らないと出来ません。介護を知るにはたくさんの勉強が必要なのです。おまけ的に、介護特約もつけておくと、いざという時に安心ですね。といわれても、いざという時って何?と私は思ってしまうのです。
介護のいざという時は、死亡保障や医療保障のように明確ではありません。入院のように、病院に入った日が入院日というわかりやすい線引きがあるわけではなく、だんだんと衰えていき、だんだんと手を貸してもらわなければならなくなり、だんだんと介護状態が進んでいくのです。その曖昧さにどこで線引きされるか。これが、介護保険がどういう場合に支給されるかになるのです。
また、介護というのは、家族構成、経済状況が大きく影響してきます。介護保険で対応しきれないことを、市町村独自の福祉サービスを検討したり、民間の家事サービスを探してきたりと、日ごろ介護プランを立てる仕事のケアマネージャーは情報を常に収集して活用しています。そういったリスクを補えるだけの、保障を提案できるかどうかは高度なことであり、それゆえに介護保険のプロは実は少ないと私は考えています。
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