大手国内生保での、主力商品というと少し前まで定期付終身保険でした。

定期付終身保険とは、終身保険に足りない分の保障を定期保険特約で補うことによって、リーズナブルな保険料で補償を得るように設計された保険です。

この定期付終身保険は、終身保険と定期保険のそれぞれの長所を生かし、短所を補うことで、契約者にとってもよい保険で大量に販売されました。定期付終身保険に入っている人がほとんどだといっても過言ではありません。

しかし、次第に定期保険特約の部分を当然のように更新型にする風潮が出てきました。定期保険部分が長期間のものよりも、１０年更新のような短期間のほうが加入時の保険料が安いために、売りやすいのが理由です。

定期保険と違って、終身保険もあるので掛け捨てではありませんなどという、セールストークも多く使われました。

もちろん、終身保険部分をキチンと用意してあれば、掛け捨てとは言いがたいでしょう。しかし、目先の保険料を下げるために終身保険を必要以上に低く設計し、大部分が掛け捨ての定期保険になっているような設計も数多く存在します。そして、売り手に都合のいいセールストークであたかも貯蓄と保障を兼ね備えているような錯覚を起こさせるのです。

終身保険の貯蓄性を主張しながら、それならばと契約したお客様にたくさん出会いました。なるほど、と証券を見せていただくと、貯蓄型と言われたのに実際は３０００万円のうち終身保険が１００万円で残り２９００万円が定期保険でかけ捨てられていたなどということが、よく見受けられます。終身部分が５００万円もあれば良心的なほうです。

貯蓄としてではなく、６０歳や６５歳以降に、いくら保障が少なくなってもいいといったところで、たった１００万円や２００万円じゃお葬式代としても心細いと悔やむ方をたくさん見てきました。

また、定期付終身保険には、医療保障や三大疾病の保障、女性特約や生活保障特約、傷害に災害割増など、とにかくこれでもか！というほど、特約が盛りだくさんについていることも特徴のひとつです。色々ついていることで、大きな保障を充実させたと錯覚を起こします。実際はその全てが受け取れるわけではないのですから・・・