消費者信用団体生命保険とは、消費者金融会社・銀行・信販会社等が契約者、保険金受取人となり、債務者を被保険者として生命保険会社と契約する保険を指します。
債権者が受け取る保険金を債務に充当して債務の消滅を図り債務者の遺族などの生計の安定を維持することを目的とした保険ですが、借り入れの申込書と生命保険の加入申込が一枚の書類で行われ生命保険会社への加入申込であることが債務者側には認識し難く、債権者との契約条項の一つであるかのような保険契約方法が用いられていました。そのため債務者は自分が被保険者でその生死に保険が付されていることを知る人は多くなかったようです。
無担保を標榜しながら債務者の知らないところで債務者の命を担保にしている事実や、自殺を唆す悪質な取立てなどを重く見た金融庁が2006(平成18)年、保険会社及び生命保険協会に対し顧客が保険商品の内容を理解するために必要な「契約概要」と保険会社が顧客に対して注意喚起すべき「注意喚起情報」を用いて債務者に分かりやすく説明することを求め、消費者信用団体生命保険を含む団体保険についても徹底するよう要請しています。
これを受けて生命保険協会では適正な実務運営を確保するために、「消費者信用団体生命保険の実務運営に関するガイドライン」を策定し、同時に全国貸金業協会に対し「消費者信用団体生命保険の実務運営に関するガイドライン」に沿った取り組みの理解及び会員各社に対する積極的な取り組みの促進を申し入れ、保険加入の意思確認など手続の厳格化を打ち出し1.保険加入申込書ローンカード等の申込書がそれぞれ別書面である必要があること、2.保険金受取人である団体からの保険金請求に際しては、遺族の連絡先が不明である等の止むを得ない場合を除き当該団体から遺族に対し保険金等の請求内容が通知され遺族に了知されていることを保険会社が確認する必要があるなどの指針をまとめ、それ以後は高まった批判や融資事務の煩雑化などの理由から消費者信用団体生命保険への加入手続きを中止する貸金業者が増え、現在大手貸金業者の殆どは保険加入を条件にした融資を行っていません。
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