終身保険とは、死亡保障が一生涯続き被保険者が死亡したときは指定された保険金受取人に死亡保険金が支払われる保険を指します。　

支払い事由が被保険者の死亡のみであるため満期保険金はなく、保険料は一定年齢又は一定年数で払込みが満了する有期払込タイプと保険期間中すなわち一生涯払い続ける終身払込タイプがあり、保険会社によっては契約当初の保険料を低く抑え一定期間経過後は割増計算した保険料を払い込むステップ払込を取り扱っているところもあります。

終身払込タイプは高齢になり収入が激減しても払い続けなければならないため、保険料が生活を圧迫することも懸念されます。又ステップ払込でも同様に保険料が安い間は支払いが苦にならなくても、その期間が過ぎ割増の保険料になった途端生活設計が狂ってしまうことも考えられます。どちらの場合も保険料の負担に耐え切れず解約せざるを得なくなる確率は非常に高く、本当に保障が必要なときに保障がなくなるという事態が起きてしまいます。

終身保険では一定の保険料を一定期間だけ支払い一生涯の保障が約束される有期払込タイプ以外のものは支払いリスクが格段に高くなることを念頭に置く必要があります。

この終身保険は契約期間中に解約すると保険料払込期間に応じた解約返戻金を受け取ることができ「貯蓄性の保険」と呼ばれています。ただ終身保険の支払事由である被保険者の死亡は早いか遅いかの違いはあっても必ず訪れ、保険会社にとっては約束した死亡保険金の支払義務が消滅することは決してないため保険料は掛け捨ての定期保険などと比べれば割高に設定されています。

ちなみに保険金の受取人は遺された遺族となるため被保険者が生存中に遺す対象となる人が全て死亡したとき(身寄りがなくなる)は受け取る人がいなくなりますので速やかに解約するべきです。高齢で身寄りもいなくなり被保険者自身も終身保険に加入していることを失念した場合や、身寄りがいても保険加入の事実が伝えられていない場合などは、解約も請求もされずコツコツと支払った保険料が最終的には保険会社を利するだけのものとなってしまいます