特定健康診査とは、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診を指します。
近年生活習慣の変化等により糖尿病、高脂血症、脂質異常症などの有病者や予備群が増加していますが、これらは食生活の見直しや適度な運動などで予防できることが分かってきており、平成18年の医療制度改革に伴い平成20年4月から、健康保険組合、国民健康保険などの保険者に対し40歳~74歳の加入者を対象として年1回の実施が義務付けられました。
わが国の平均寿命は女性が世界一で86歳を超え、男性も世界第4位で79歳を超えるという長寿国になりましたが、急速な高齢化によって疾病構造が変化し疾病全体に占める虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病など生活習慣病の割合が著しく増加しています。
生活習慣病が死亡原因に占める割合は約6割となっており、それらの疾患の前段階であるメタボリックシンドロームの疑いのある人やその予備群とされる人は、男女とも40歳以上で高く男性では2人に1人、女性でも5人に1人いるといわれています。
肥満、高血糖、高血圧といった状態が重複した場合は脳血管疾患などの発症リスクが著しく高くなるため、メタボリックシンドロームの疑いの強い人に適度な運動とバランスの取れた食事などを指導し、内臓脂肪が主要原因となる生活習慣病発症のリスクを抑え或いは悪化を防ぐことを目的としています。
健診は、質問票(服薬歴・喫煙歴等)、身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)、血圧測定、理学的検査(身体診察)、検尿(尿糖・尿蛋白)、血液検査(脂質検査として中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール)(血糖検査として空腹時血糖またはHbA1c) (肝機能検査としてGOT GPT γ-GTP)が行われ、一定の基準の下医師が必要と認めた場合には心電図、眼底検査、貧血検査(赤血球・血色素量・ヘマトクリット値)を行うこともあります。これらの結果から生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による生活習慣病の予防効果が多く期待できる人に対しては特定保健指導と呼ばれるサポートが行われます。
この特定保健指導はリスクの程度に応じて動機付け支援と積極的支援があり、医師、保健師、管理栄養士等の専門的知識や技術を持った人達が対象者に合わせた実践的なアドバイスを行います。
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